相談室スーパーバイザー佐久間徹先生の初の著書です。
「広汎性発達障害児の応用行動分析(フリーオペラント法)」という題です。
「フリーオペラント法」というのは、30年以上前より「佐久間徹」と「久野能弘」の二人によって確立された「応用行動分析(ABA)」の一分野です。
ヒカリヲでは、30年前よりこの療法を採用し自閉症療育に取り組んでいます。
実際に「フリーオペラント法」というのは、同じABAでも「DTT(ディスクリート・トライアル・トレーニング)」や「ロバース法」に比べて「測定がしにくい」という欠点があり、論文や書物などでの流布というのはなかなか出来にくかったのです。
しかし、「フリーオペラント法」は主に「社会性」や「自然なことばの獲得」に関して絶大な効果があり、関西学院大学、筑波大学などでも扱われ、日本の行動療法家・応用行動分析家の中では底流として脈々と存在をしています。
加えて、アメリカの方でもロバースの弟子であるケーゲル夫妻などがPRT(Pivotal Respose Treatment)という新しい療法を提唱しており、そのやり方は、実は日本でのフリーオペラント法に極めて近いのです。
その純日本産「フリーオペラント法」の詳細が書かれた初めての本です。
「一度文章にしてしまうと、間違って伝わってしまうのが怖い」
として中々文章化されなかった先生ですが、熟考に熟考を重ねられた上でようやくの出版となりました。
佐久間先生はこの本について「親御さん向けに書いたものでも無いから難しいかもしれない」とコメントされていましたが、殊更に難しい文章だとは思いませんし、何より安い(840円)ものです。この値段も「多くの人に安く手に入れてもらう」という、「印税度外視」の先生のご配慮が入っています。
ミード社会舘の療法はこの「フリーオペラント法」に特化しています。
「フリーオペラント法」は実に「百聞は一見に如かず」の療法です。
実はこの私も、佐久間先生の療法を実際に見るまでは「イマイチ実感が湧かない」と感じていた1人です。
是非とも読んでみてください。
この本を読んで、もし「フリーオペラント法」が気になる方がおられましたらヒカリヲにご連絡いただけたらと思っています。
小野